弁論ブログ

ディベートブログですがニッチなことを書きます。

大会2日目の盛り上がりの話

こんにちは。

元号も変わったのでブログ更新します。

 

それで最近参加した大会のことを思い出すと、大会2日目って、来ない人/途中で帰る人が結構多いと思います。(過去と比較して「増えた」と主張したいものの、特に昔のデータがあるわけではないので相対的な表現は控えます)

 

たとえば今週あった春Tに関して、次のツイートがありました。

[Nationals 2019]
Got awarded as best adj, ok enough about that. Rookie Finals was SO GOOD. People need to talk about this more. So sad there were only 9(?) something people watching it. But I am glad of how good the younger generation of the Japanese community have become 

— marc (@marc_kasahara) 2019年4月29日

 

ルーキーGFに人少なくて悲しいという話は特にそうだなと思っていて、ルーキーGFってオープンSFの裏で行われがちなこともあって、オーディエンスあんまりいないことが多いです。

(ちなみにルーキーGFについてはこのような方策もあるのでブレイクラウンドがQFからの大会は積極的に取り入れると良いと思います。)

 

今回は、ルーキーブレイクラウンドに限らず、ブレイクラウンド一般に対するオーディエンスの話を考えてみます。

昔まではブレイクアナウンスメントは2日目朝にやるものだったので、2日目朝は少なくとも来て、ブレイク落ちしていてもまあ来たし観てついでに音源でも録っとくか的なノリだったと記憶していますが、最近は1日目の夜に発表されるのでブレイク落ちしてたらそもそも来ないことがわりと標準化されているような気がします。

これに対して帰る人を非難する方向に論を進めるつもりはなくて、高い交通費を払って遠征しているから折角なら観光でもするかという気持ちだったり、学業等を優先させたいという価値判断は個人の自由だと思います。

 

では結局この価値判断がどうして生じているかということを考えると、

(1)観戦によるディベートの上達を目的とするのであれば、わざわざ現地で観なくてもYoutubeに良質な試合が山のようにある

(2)ブレイクラウンドはそれほど盛り上がりなく粛々と進むので、ディベーターでもジャッジでもない状態で聞いていると眠くなってくる(個人差があります)

→それなら会場に行くコストをかけずに他のことしてたほうがよくね、って感じだと思います。

 

 

結局のところ、オーディエンスとして参加するインセンティブが大きくないと、ブレイクラウンドが閉鎖的な感じになりますし、引いては英語ディベートコミュニティの閉鎖性にも関わってくる気がします(ここロジック無いですが、ちゃんと考えるのめんどくさいので、暫定的にオーディエンサビリティが高い方が望ましいという前提で進めます)

 

ところで、2008年の北京オリピックのフェンシング競技で日本人個人史上初のメダルをとった太田選手が、最近フェンシング協会会長になって協会や大会を改革してるみたいなニュースがちょっと前にやってました。

その改革の中で、太田会長が力を入れているのが、競技のエンターテインメント性を上げることで、演出を凝ったり、解説をつけたりとで観客の満足度を高め、集客に成功したということだそうです。

 

引用

会場を満員にするために、競技のエンターテインメント性を高めることが必須と考えた太田は、昨年の全日本選手権でLED(発光ダイオード)を用いて、どちらにポイントがついたのかをわかりやすく表示する演出をしたり、観客が場内ラジオで競技解説を聴けるようにするなど、20以上もの施策を実施した。結果、決勝戦で1600人もの観客を集めることができた。

 

 

 

 

別の例として、2月にあったスマブラの海外大会の動画を見てみましょう。

 

15:22でリヒターが吹っ飛ばされて復帰してきたところをさらにオリマーが空中攻撃で復帰阻止します。

リヒターというキャラクターは復帰がとても弱いキャラクターなので、普通ならそのまま撃墜してしまうのですが、

オリマーが投げてきたピクミンによって発生するダメージをうまく使って見事に復帰します。

 

復帰が成功した瞬間、実況・解説・オーディエンスめちゃめちゃ盛り上がってますね。

この熱量は会場で直接観てみたいなと思わせるパワーがあります。

 

 

実際のところ、英語パーラメンタリーディベートの大学生以外への普及は色々な人の努力のおかげでどんどん進んでいて、ちょっと大学生大会にオーディエンスで来てみたいという層も増えていくんじゃないかと思います。

そういったときに、大会を見学して受けた印象というのは競技に対する印象にもなりますので、オーディエンサビリティを上げていくのは大事なんじゃないかと思います。

 

シンプルな方策としては、決勝のコールを盛り上がるような形にしてみるとか、

オーディエンス側としてディベーターがいいことを言った時に拍手したり机叩いたりしてリアクションする/しやすくするようにする、とかですかね。 

 

 

難しいのは、ディベートは声を使う競技なので、(e)スポーツがやっている実況・解説と相性が非常に悪いということです。

日本語ディベート大会では、別室で映像を繋げて解説講座をやっていたそうです。これは学びの機会の提供という点ではとてもよいですね。

 

 

個人的には、文字媒体による実況・解説・感想の共有というのも(会場の盛り上がりという趣旨からはややそれますが)ありなんじゃないかなと思っています。 

下記記事のYoutubeのコメント欄なり、ライングループなり、ツイッターハッシュタグなりで実施できますね。

 

 

以上、そんなにいけてる方策の提案は無いのですが、ブレイクラウンドにはいっぱい人がいて盛り上がりまくったほうがいいよねって話でした。