弁論ブログ

ディベートブログですがニッチなことを書きます。

ジャッジトレーニングワークショップについて考えてみた

こんにちは。
 
 
先日ゴールデンカップBPに参加しました。
感想は別の記事で書こうという気持ちがあるので省略しますが、
BPジャッジを育成することはコミュニティの発展には必要不可欠であるものの、メソッドの部分がなかなか難しいんだなあという感覚を出た人は抱いていると思います。
 


まず一般にジャッジに対して要求されることが何かを考えてみます。 
・ディベーターが言ったことを聞き取って理解する
・ディベーターが言っていることが何を証明しようとしていて、それがどの程度証明されていると判断できるのかを考える
・各チームが証明したことを、いくつかに分類して整理する
・各チームを比較しつつ、比較軸の妥当性を検証する
・ディスカッションをうまくファシリテートして、コンセンサスを目指す
・オーラルのRFDをする
・大会でピリピリしているディベーターからのプレッシャーに圧されない
 
など、ぱっと思いついただけでもたくさんの要素が挙げられます。
情報量が多い上回生ラウンドの場合、上記の項目を並行して処理していかないといけないので、慣れていないとなかなか難度が高くなります。(1年生ラウンドには情報量が多くなくても別の難しさがありますが今回の話では省きます)
つまり、いきなり上回生のBPラウンドをジャッジしてフィードバックをもらうという形式はやや実践的すぎるかもしれないという感じでしょうか。
要素が多いので、フィードバックがそもそも効率的に行えるのかどうかという懸念もあります(たとえば、そもそもラウンドがほとんど聞き取れていなかった人に対して出来るフィードバックはかなり限定的になってしまう)
 
 
実践の前には要素分解した基礎トレーニングが必要ですが、ジャッジの場合どういうイベントを催せば良いかを考えてみました。
想定としては、単体で催してもいいし、ゴールデンカップ的な大会の前日ワークショップとして催してもいいかなと思っています。
 
(1)事前課題
・課題の音源を配布する。上回生ラウンドかつ、慣れたジャッジがやってもディシジョン割れるようなもの良い。(なんかの大会のブレイクラウンドとか)
・参加者は音源を聞いてとりあえず1人でディシジョンを作る。音源は何回聞き直してもいいし、なんなら字幕機能とかも使っていいし、わからない語句は調べていい。
→ねらい:ラウンド理解に関する差を均して、評価の仕方や比較に関する要素を集中的にトレーニングできるようにするため
 
(2)ディスカッション練習
・ワークショップ当日、参加者を3~4人くらいの小グループに分けて、30分程度ディスカッションをする。その際、上回生が各グループに1人付いて、ディスカッションが詰まった時のファシリテーション補助をしたり、ディスカッション後にフィードバックをする
※小グループの分け方は、事前にランキングを参加者に提出させておいて、なるべくランキングが違う人とグループになるように割り振ったりしてもよい
・グループをシャッフルして、もう一度別の人たちとディスカッションをする。その際、前のディスカッションを受けて1人でやった時とは別のイニシャルディシジョンを持って始めても良い。
 
(3)その他工夫
・ディスカッション練習前にBPジャッジやディスカッションに関するレクチャーをしてもよい
・ディスカッション練習後に、使用した音源の解説や評価を上回生が説明しても良い。
・あるいは上回生が複数人でその音源に関してディスカッションをデモしても良い
 
・競技性を持たせるほうが盛り上がるのであれば、ディスカッション参加者を各グループの上回生が採点して、順位をつけたり、上位者でファイナルディスカッション的なイベントをしてもよい。
 
 
こんな感じです。
こうすると、理解・整理の部分は事前課題として十分に時間をかけてから臨めるので、評価・比較・ディスカッションの部分を集中してトレーニングすることができるかもしれません。ディベーターもいないので、プレッシャーも大幅に軽減。
 
 
ちなみに、過去にJPDUでも海外音源セミナーが開かれたことがあるようです。海外音源を聞いて、レクチャラーと参加者が内容について議論するワークショップですね。こういうのもいいと思います。

 

 

余談ですが、大会ジャッジのために実家に帰ると僕の母は「またディベートのレフェリーか?」って聞いてきます。

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