弁論ブログ

ディベートブログですがニッチなことを書きます。

チームコードはワールズ方式で良い説

こんにちは。

 

年末の風物詩といえば、大掃除・紅白・WUDC(ワールズ)ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

ワールズをはじめとして去年くらいから各種の大会で取り入れられている制度に、匿名チームコード制があります。

 

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こんな感じで本当はKOBE A等の大学名を冠したチーム名でも、特に関係のない単語がチーム名としてあてがわれる制度です。(ここでは便宜上ランダム単語方式と呼ぶことにします)

制度の狙いとしては、大学名バイアスをジャッジングから排除することです。

「強豪大学のチームだから強いアーギュメントを言ってくるだろう」とか「名前聞いたことのない大学だからどうせ大したこと言ってこないだろう」とかいう無意識の刷り込みは多かれ少なかれ意思決定に濁りを生じさせますので、ジャッジに対するバイアスをなるべく減らすことは必要なことです。

その他の弾ききれないバイアス源は当然あるので、完全にバイアスフリーなジャッジングを全てのジャッジにさせることはなかなか難しいですが、費用対効果で見た時にチームコード制は有効だと言えます。

 

大会で主流なのは、適当な単語(茶目っ気のある大会だとお魚の名前や居酒屋メニューなどネーミングに特徴がある)を割り振ることですが、

ワールズにおいては、スピーカーの名前をそのままチーム名として使っています。(人名方式と呼ぶことにします)

 

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こんな感じで、たとえば阪大のザンとまさおのチームはGiang & Onishiというチーム名になります。

 

ランダム単語方式と人名方式を比較すると、人名方式だとジャッジがちょっと調べたら大学名にたどり着けそうな気がしますが、大学名にたどり着きやすさはほぼ変わりません。

ランダム単語方式でも、結局のところスコア入力のためにスピーカー名が必要なんでホワイトボードに名前を書かせるためです。

結局、ディベーターの所属を知りたくてしかたがないジャッジの存在を仮定した時に、部屋に入ってからパンフレットとホワイトボードをちょろっと見比べれば誰がどの大学がわかってしまいます。

なので、こういうことができてしまうことをもし問題視するのであれば、解決策はパンフレットやコンフリクト表に正式チーム名を書かないことが適当です。

 

では人名方式の何が良いかというと、まあ大してメリットも大きくないんですが、

・ディベーターがランダム単語に比べて自分のチーム名を誤認する可能性が低くなる(あんまり誤認事例を聞いたことがないのでなんともいえない)

・知り合いのスコアがわかる(タブURLが公開されている場合は大会にいなくてもわかって後輩の活躍とかを知れる。)

みたいな感じです。

 

余談

 

チームコード制に関する注意事項のテンプレとして、最近次のような文章がコピペされて使い回されています。

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この3つ目の

・ラウンド後のSNS、または会話内で、自チームの結果や点数を公開すること

っていうのがよくわからないんですが、これはどういうジャッジに対して発生するどういうバイアスを想定した項目なんでしょうか?

ジャッジで参加している人にディベーターが点数を話して、その後その人がジャッジになった時に「あ、ここは○点ラウンドなんや!」ってわかることによって何らかのバイアスが発生するということなんですかね。

誰か詳しい人教えてください。